初ゲラ!!!〜初校閲は不思議がいっぱい〜
出版社から原稿が返ってきた。
生まれて初めてのゲラである。
この日を待ちわびていただけに、ドキドキとワクワクが沸き起こる。
小説を書きがむしゃらにやってきただけに、目指せ出版ってとこがあったので、事前に校閲たるものはなんだろうな? とリサーチがてら、下のドラマを楽しく観たりはしていた。
(サイト内にある【「校閲者」のお仕事】も勉強になった)
しかし、返ってきた実物のゲラには意味不明な記号がいっぱいでもうタジタジ。
先ずは検索だ。
文章中の言葉が○で囲われ、その横に書かれた不思議なメモ。
【トルorてて】
トルはなんとなくわかった。orも理解。
……てて?
こちら、【てて】ではなく、ママでした。
校正の際、固定用語は記号扱いでカタカナ表記されるらしい。
トル は取る(不要)
or は~か~
ママ はそのまま
つまり、〇で囲った言葉を「取ってしまうか、そのまま使うかどうする?」との意味合いのようだ。刷り上がった文章にメモは手書き鉛筆で残すので、ダラダラ書くと見えにくいためこういった表記になる。
本当の絶対直さないといけない誤字脱字等は赤ペンで表記。こちらはドラマ内でも紹介されていた。
また、たくさんの付箋にはドラマさながらの指摘だしや質問があり大いに興奮を覚えた。
脳内ビジョンには石原さとみちゃんがもう大活躍状態。
石原さとみちゃんかわいいです。
また、説明し過ぎとの指摘もあった。
部屋にA君B君の二人きりで向かい合って座ってる。この状況の文章に続く流れで
【目の前のA君に視線を戻した】
と記したけど、この場合二人しかいないので『目の前』は不要とのこと。
なるほど。
なるべく状況が読者に伝わるようにと細かく意識的には書いていたけど、一歩引いてこういった説明過ぎな個所の引き算も大事なんだなと思えた。
普段は一度ザックリ完成した物語をより丁寧に心情や状況を追記(足し算)作業が多い分、引き算という意識に欠けてる部分があったな。と勉強になった。
あと、今後とも注意していきたいのは、漢字とひらがなの使い分けについて。
今回の目立った直し。
漢字へ変更
くん → 君
そば → 傍
そらす → 逸らす
ひらがなへ変更
丁度 → ちょうど
凄く → すごく
良かった → よかった
~風 → ふう
掛ける → かける
下さい → ください
勿論 → むろん
事も → こと
出て行った → 出ていった
出来た → できた
無い → ない
分かりやすい→ わかりやすい
分かった → わかった
直ぐも → すぐ
貰った → もらった
身体 → 体
通り → どおり
言(う)えば → い(う)えば
沢山 → たくさん
居ない → いない
その通り → そのとおり
読みやすい文章は『ひらがなが主体』ということらしい。
以前どこかのサイトで友達以外の複数形の達はひらがなの方が読みやすいという情報を見ていたため、敢えて【私達】→【私たち】としていたのだけど、校閲では【私達】に変えるようにチェックが入っていた。うーむ……。
今回の物語は一人称の形をとっている。
一人称の場合三人称(神視点)とは違い、俺は・僕はのように、主人公のキャラの性質が口調となり文章に現れるところがキャラクターが生きる良さだと思っている。
真面目だったり、不器用だったりすると固い言葉をつかったり、柔らかい人柄だと、柔らかな言葉になったりなど。
この物語の主人公は優しく明るく人の良い若者の介護士さんである。
文中に【お金を払い】という言葉がありその お に○がされていたり、【入居者さんの顔と名前を把握するのが最初の仕事】の さん にも○がついていた。
しかし、【金を払い】に直すとなると、なんだか殺伐とした印象になるし、【入居者】と言ってしまうのもやはりキャラじゃないので、ママを通すことにした。
石原さとみちゃんごめんなさい。
初めてのゲラには戸惑いが盛りだくさんではあったけど、勉強になることもたくさんあった。
指摘出しにより、追記説明を入れ、新たな伏線も生まれたりとやっぱりワクワクがいっぱいだった。
校閲者さまありがとう。
二週目のチェック。どうぞよろしくお願いします。