しがない作家志願者のあがきとモガキ

タイトルの通り、日々のあがきとモガキです。後は、作品をたまに上げてみたり、紹介してみたり。かな

シリーズ深読み読書会「横溝正史の集大成!“悪魔の手毬唄”」

正月実家へ帰省し、録画してあった『シリーズ深読み読書会』という番組をみた。

読書会というものがこの世に存在しているのは、以前記事にあげた活字中毒者の姉情報で知ってはいた。

読書会とは、課題本となる作品を読み、その感想や情報を話し合いシェアする会のこと。姉の話を聞き、読書会に興味を持っていたけど、ひとりで飛び込む勇気もなく、うずうずしていたわたしにとって、この番組はすごく面白かった。

www6.nhk.or.jp

 

課題本となる作品は横溝正史の”悪魔の手毬唄

 

この本実際に読んだことはないけど、番組であらすじも丁寧に紹介されており充分楽しめた。

 

【以降、ネタバレ含む】

 

あらすじは、鬼首村(おにこうべむら)で起こり始めた連続殺人事件の謎を金田一耕助が追っていく。

村に伝わる童謡の通りに村の娘たちが死体となり装飾され発見される「見立て殺人」が行われる。

物語に出てくる若者は金田一が宿泊する亀の湯にいる村一モテモテの息子と半身にあざを持つ妹(里子)、由良家の娘で美人の泰子(モテモテ息子といい感じ)、仁礼家の娘文子(モテモテ息子に片思い)、かつて村へ訪れた女遊びが激しい詐欺師・恩田幾三の娘とされるゆかり。

モテモテ息子の周りで上記の娘たちが次々に殺されていく。

 

番組の中の情報で、横溝正史の複雑な家庭環境がクローズアップされ作品とのリンクが紹介されていた。

 

横溝正史の父方母方共に前妻前夫がおり、父方の腹違いの兄弟に歌名雄という長男がいて、この長男の名前が作中、金田一耕助が訪れた旅館のモテモテ息子として登場するのだ。

 

番組のラストで、エピローグの歌名雄とゆかりが話すシーンのセリフがピックアップされる。

 

この内容が、横溝正史の会ったこともない異母兄弟の歌名雄氏に贈られた、横溝正史の気持ちのように感じられ、これが書きたかったんだろうなと思えた。

作品の内容自体もザッと紹介されただけでもすごく面白かったけど、作者のこの家庭環境を知っているともっともっと深く作品を味わうことができるんだと実感できた番組だった。

 

課題作となる作品を好きで読み込み、更に作者の詳細や、作者の他の作品を読み込んでいる人の情報力は半端なく、それを個人で知るのはなかなか大変。でも、その知識をおすそ分けしてもらえる会。

 

読書会やっぱり憧れるなぁ。